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アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは

慢性的に繰り返す痒みのある湿疹病変です。乳児では2ヵ月以上、その他では6ヵ月以上持続した場合に「慢性」と呼びます。患者さんの多くは皮膚炎以外にアレルギー性鼻炎・結膜炎、気管支喘息と診断されたことがあったり、家族にアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を持っているなどの素因があります。

アトピー性皮膚炎は一般に乳幼児・小児期に発症しますが年齢が進むにつれて患者数は減少し、一部の方が成人型アトピー性皮膚炎に移行すると考えられています。統計では3歳児が13.2%、小学6年生10.6%、20歳代が10.2%、50+60 歳代では2.5%がアトピー性皮膚炎と診断されています。アトピー性皮膚炎の患者さんは全年齢にわたって皮膚が乾燥しやすい傾向があります。

とにかく保湿が大切です

私達のまわりにはホコリや食物の細かい粉塵などのアレルギーの原因になる物質アレルゲンが舞っています。食物を選択することはできても皮膚に接触するものを完全に排除することは不可能です。荒れた皮膚はアレルゲンが体に刺激を与える入り口になってしまいます。皮膚の乾燥を防ぐことは皮膚炎を防ぐだけではなく喘息などの他のアレルギー疾患を防ぐ効果もあると報告されています。

保湿剤はさまざまな種類がありますが米国ガイドラインは香料などの添加物を含まなければ通常の製剤で問題ないと明記しています。クリニックではワセリン・ヘパリン類似物質含有製剤・尿素製剤などを使用することが多いですが、効果に優劣はないとされており患者さんの好みを聞いて処方しています。保湿剤の使用は1日1回よりも2回塗った方が有効です。特に小さなお子さんの肌は敏感で乾燥しやすいので可能なら2回塗ってあげてください。参考文献(3)は皮膚のケアに関する良書ですのでお子さんの皮膚を心配する親御さんにお勧めです。

アトピー性皮膚炎の治療薬

ステロイド外用薬:アトピー性皮膚炎の基本となる薬剤であり日米のガイドラインで最も推奨されています。重症度や使用する部位によって薬剤を使い分ける必要があります。適したステロイド外用薬を使用して炎症やかゆみを速やかに改善させてから、保湿剤を併用して皮膚を良い状態で維持することが治療として大事です。4週間程度のステロイド外用薬の使用でも皮膚の改善が見られない場合には専門医への紹介を検討します。

プロトピック軟膏®: ステロイド薬とは違った作用で免疫を抑制する薬剤です。効果と安全性の面から日米のガイドラインで使用が推奨されています。使用開始直後にヒリヒリ感や火照りを感じることがありますが、次第に軽くなっていくことが多いです。小児では2才から使用できます。

コレクチム軟膏®:JAK阻害薬という免疫を抑える作用の薬剤です。1日2回塗ることでアトピー性皮膚炎を改善させる効果があり日本のガイドラインでも推奨されています。生後6ヵ月以降の小児に使用することができます。

モイゼルト軟膏®:PDE4阻害薬という2022年から使用できるようになった新しい塗り薬です。小児でも生後3ヵ月目から使用可能であり1日2回使用します。他の免疫抑制薬とは違って使用量の上限がないのが特長です。

ブイタマークリーム®:2024年10月に新しく登場した外用薬です。ステロイド外用薬の代わりに1日1回の使用で効果を得ることができます。現在は12才以上から使用可能ですが今後に適応年齢が下がる可能性があります。

有望な塗り薬の登場でアトピー性皮膚炎の治療は大きく前進しました。しかし塗り薬で改善が得られない場合には注射製剤や内服薬の適応を検討する必要があるためアレルギー専門医へご紹介します。

プロアクティブ療法がお勧めです

アトピー性皮膚炎の病変に充分なステロイド外用薬を使用すると皮膚は次第に改善してきます。ここで一旦きれいになった後すぐにステロイド外用薬を止めてしまうと再度悪化しやすくなります。アトピー性皮膚炎では外から見える浅い部分が良くなっても深いところで炎症の火種がしばらく残ります。湿疹のひどかった部位へのステロイド外用薬をもうしばらく継続してから段階的に使用回数を減らすことがガイドラインで推奨されています。この方式をプロアクティブ療法と呼んでおり、短期間でステロイドを止める治療よりも長い目で見ると有効です。維持のために使用する薬剤は上記のステロイド以外の軟膏も選択できます。アトピー性皮膚炎が何度も悪化する方はご相談ください。

参考文献

(1) アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021

(2) 世界最高のエビデンスでやさしく伝える最新医学で一番正しい アトピーの治し方 大塚篤司 著・・・アトピー性皮膚炎への考え方を根拠を示しながら分かりやすく解説した本です。

(3) マンガでわかる子どものアトピー性皮膚炎のケア 堀向健太 文・青鹿ユウ マンガ・・・皮膚のケアを学ぶのに最適な一冊です。お忙しい方はマンガのところだけでも読まれることをお勧めします。

(4) 米国アトピー性皮膚炎ガイドライン. Ann Allergy Asthma Immunol. 2024 Mar;132(3):274-312.PMID: 38108679

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