肺炎は日本人の死亡原因の上位となる疾患であり、成人の肺炎の2割から3割は肺炎球菌が原因です。重症肺炎球菌感染症(侵襲性肺炎球菌感染症)は予防接種によって危険性を減らすことができます。慢性疾患をお持ちの患者さんは肺炎が重症化する危険性が高いと考えられますので肺炎球菌ワクチンを接種することをお勧めします。
65才になる方は肺炎球菌ワクチンをご検討ください:65才の方はプレベナー20®の接種費用の一部を公費で負担する定期接種の制度がありますのでお住まいの市町村にお問い合わせください。(文献2)
脾摘後重症感染症:脾臓は自然免疫および獲得免疫応答をする重要な臓器です。手術によって脾臓を摘出した患者さんではこれらの免疫機能が失われて重大な感染症の危険性が高まります。手術によって脾臓を摘出した患者さんは保険適応で肺炎球菌ワクチンPPSV23(ニューモバックス®)の接種を受けることができますのでご相談ください。
64才以下でもワクチン接種が推奨される疾患:日本呼吸器学会・日本感染症学会・日本ワクチン学会の合同委員会が以下の危険性の高い患者さんには64才以下でも肺炎球菌ワクチンを推奨する提言を出しています。(文献3)
①慢性心不全、②慢性肺疾患、③慢性腎疾患、④慢性肝疾患、⑤糖尿病、⑥自己免疫性疾患、⑦悪性腫瘍・臓器移植後、⑧免疫不全(主に小児)
肺炎球菌ワクチン
PCV20(プレベナー20®): 2024年10月から日本でも接種可能となった新しい肺炎球菌ワクチンです。20種類の肺炎球菌に効果があり、長期間にわたり効果が持続するため、繰り返しの接種は不要です。(文献4)
参考文献
- (1) 65 歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第7版 2026年4月1日)
- (2) 高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンの定期接種(厚生労働省リーフレット)
- (3) 6歳から64歳までのハイリスク者に対する肺炎球菌ワクチン接種の考え方(第2版)2023年9月11日 日本感染症学会
- (4) 肺炎球菌ワクチン 日内会誌 113: 2058-2063, 2024