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糖尿病の食事・運動療法

食事療法

体重が過剰な糖尿病患者さんには総カロリーを減らす治療をお勧めします。しかし私はいつも食事療法は最も大変な治療法であるともお話しています。厳しすぎる目標をあげるのではなく、毎日続けられる小さな目標から始めてみませんか。

  • 食事は3食しっかり食べる (腹ペコでの食事で血糖が上がります)
  • 寝る直前には食事をしない
  • 早食いしない ゆっくり食べてゆっくり吸収
  • 海藻やキノコは繊維が多いので血糖の急上昇を防ぐ
  • 野菜はたくさん食べる(ジャガイモ・サツマイモ・トウモロコシ以外)
  • 野菜・海藻・キノコを最初に食べてからご飯を食べると血糖が上がりにくい
  • 甘いジュースや缶コーヒーは飲まない

上記のうち一つでもできそうな習慣があったら今日から始めてみましょう。空腹に耐えて過ごすことは継続が難しいのですが、食事の最初に野菜を多めに食べることは多くの方にとって受け入れやすい食事療法だと思います。また誕生日やクリスマスなどの特別な日には食事療法は大目にみて好きなものを食べても良いと自分は考えています。どんな小さな一歩でも健康に近づく一歩なら無駄ではありません。毎日の食生活を振りかえることを習慣づけていきましょう。

痩せている患者さん:体重が過剰ではない、もしくは痩せている糖尿病患者さんに対しては総エネルギー量の制限が有効とは言われていません。糖尿病と診断された方は痩せている場合でも砂糖や果糖を含む甘い食品は避けるべきですが食事はしっかりと摂取してください。

タンパク質摂取:高齢者は一般的に筋肉がつきにくいですが、糖尿病であることも筋肉量が減少する原因となります。健康的に長生きするためには筋肉を落とさないことが重要であることが証明されています。このため高齢の糖尿病患者さんは十分なタンパク質を摂取することをお勧めします。タンパク質としては必須アミノ酸のロイシンを多く含む鶏肉や魚を多めに食べることが好ましいです。ロイシンはアミノ酸の中でも筋肉量を増やす作用があることが報告されているからです。また効率よく筋肉量を維持するためには充分なタンパク質を1日3回に分けて摂取することが望ましいです。朝から牛乳・卵・納豆などのタンパク質を積極的に食べてから一日の活動を始めることで無理なく筋肉を維持しましょう。

炭水化物制限(糖質制限):炭水化物を摂りすぎない食事はエネルギーの総量を控えるためには重要です。しかし食事全体のエネルギー量を減らさずに炭水化物だけを減らす食事療法の有用性は証明されていません。また極端な糖質制限で健康を損なうという報告もありますので、炭水化物の減らしすぎには安全性についての心配もあります。食事療法を行うときは栄養のバランスも気にかけた方がよいでしょう。

運動療法

糖尿病患者さんに対する運動療法はダイエット効果や血糖値の改善にとどまらず、心臓病の原因となる高血圧・高コレステロール血症も改善させます。さらに運動をすると認知症にもなりにくくなるという報告もあります。

運動療法というと長時間のランニングやハードな筋力トレーニングを連想しがちですが、糖尿病の患者さんは週30分間の運動であっても有効であるとされています。運動の強度は速歩きなどの少しきついと感じる程度の運動量が推奨されていますが、いきなりキツめの運動を始めると長続きしません。日常生活で近くの階なら階段を使う、エスカレーターではなく階段を上る、近所のコンビニには歩いて行くなどの決め事を一つだけ自分に課すのはいかがでしょうか。

まずは10分だけ近所を散歩することから始めてみませんか。外を歩いて季節を感じながら健康的な体をつくりましょう。そして慣れてきたら散歩を週3回以上1回20分以上に増やしてみましょう。

進行した糖尿病性網膜症がある患者さんでは激しい運動によって網膜症が悪化する可能性があります。運動を始める前には必ず眼科を受診して網膜症の検査や治療を受けるようにしましょう。

インスリンやSU剤といった低血糖を起こす可能性のある薬剤を使用している患者さんは空腹時には運動しないようにしましょう。運動する時間帯を一定にすると予想外の低血糖にはなりにくいです。運動する際に糖類や食べ物を携行して、低血糖の症状を感じたらすぐに摂取してください。

参考文献

  • 糖尿病診療ガイドライン2024. 食事療法, 運動療法
  • 糖尿病に対する栄養療法, 福井 道明, 日本内科学会雑誌 2023年112巻4号 p.630-635
  • プライマリ・ケア医のための新・糖尿病診療. 日経メディカル 岩岡秀明 著
  • UpToDate. Exercise guidance in adults with diabetes mellitus. last updated Apr 27, 2024.

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