健康診断で糖尿病かもしれないと判定された方は医療機関の受診をお勧めします。糖尿病の診断に用いられる検査は血糖値とヘモグロビンA1c(HbA1c)です。
血糖値
血液に含まれるブドウ糖濃度(mg/dL)を測定した数値です。食事や栄養のある飲み物を摂取すると血糖値は高くなりますので、直前の食事は何時間前なのかをお聞きします。空腹時血糖とは前の食事から10時間くらい経過した後の血糖値のことであり、お腹が空いているときの血糖ではありません。随時血糖は食事から10時間以内に測定した血糖値です。
ヘモグロビンA1c (HbA1c)
赤血球の中の酸素を運搬する成分がヘモグロビンです。ヘモグロビンに糖分が結合したものがヘモグロビンA1c(HbA1c)です。血糖値が高い状態が続くとHbA1cの比率が少しずつ上昇します。血糖値は1日のなかでも数値が変動しやすいですが、HbA1cは1~2ヶ月前からの血糖値の傾向を反映するので糖尿病の治療効果を判定するのに有用です。HbA1cの正常値は5.5%以下です。
糖尿病の診断
- 空腹時血糖が126以上
- 随時血糖が200以上
- HbA1cが6.5%以上
上記の糖尿病型の判定が2回以上された場合に糖尿病と診断します。そのうち1回は血糖値が診断基準を満たしていることが条件となります。糖尿病型の判定が1回のみであれば糖尿病とは言い切れませんが要注意です。生活習慣に気をつけていただき3~6ヶ月以内に血糖値・HbA1cを再検査します。
ブドウ糖負荷試験
糖尿病を否定できない場合には、10時間以上食事をしていない状態でブドウ糖75gを含む甘い水を飲んでいただき2時間後の血糖値を測定します。ブドウ糖を飲んだ後の血糖が200以上の場合には糖尿病型と診断します。
空腹時血糖が110~125、随時血糖が140~199、HbA1c6.0~6.4%のときは糖尿病が疑われますのでブドウ糖負荷試験を強くお奨めします。
空腹時血糖100~109、HbA1c5.6~5.9%と軽度であっても肥満や脂質異常症の方、ご家族に糖尿病患者さんがおられる場合などではブドウ糖負荷試験をすることをご提案します。
糖尿病を早期に診断すれば合併症を防ぐための治療を適切な時期に開始して健康に長生きすることができます。健康長寿を達成するために糖尿病の可能性がある方はご来院ください。
参考文献
- 糖尿病診療ガイドライン2024 1章 糖尿病診断の指針
- 糖尿病をよく知るための検査 https://dmic.ncgm.go.jp/content/it_02.pdf
- プライマリ・ケア医のための新・糖尿病診療. 日経メディカル 岩岡秀明 著
- UpToDate. Initial management of hyperglycemia in adults with type 2 diabetes mellitus. last updated: Mar 18, 2024.
- Diabetes Care 2024;47(Supplement_1):S20–S42. PubMed:38078589