家庭での血圧測定
家庭での血圧測定は大変重要です。なぜなら病院や医院では多くの方はいつもより緊張した状態で血圧を測ることになるからです。仕事の合間に慌ただしくうける健康診断も同様です。特に自宅での血圧は悪くないのに健康診断では必ず高血圧を疑われるという方は家庭血圧の記録を持参して受診されることをお勧めします。できれば血圧計は手首よりは腕に巻くタイプが誤差が少ないので好ましいです。
家庭で血圧を測定する場合には以下のことに注意してください。
- トイレを我慢した状態で測定しない
- 冬季は部屋を暖めてから血圧を測定する
- コーヒーや紅茶、運動、タバコの後は30分以上待ってから測定する
- 厚手のシャツやセーターは脱いでから血圧計を巻く
- 血圧計を巻いた腕は机などの上に置いてから測定
- 背もたれのある椅子に座り、足を組まずに両足を床につけて数分間待ってから測定を開始する
- 血圧を測定しているときは会話しない
些細な刺激でも人によっては血圧が上昇することがあります。間違った測定で高い血圧が記録されると治療内容に影響してしまうかもしれません。静かな環境で気持ちを落ち着かせてから血圧を測定するようにしてください。
血圧はいつ測るの?
血圧を測定するのに適した時刻について患者さんから質問されることがあります。私は「忙しくない時間帯にのんびり測定してください」と回答しています。ガイドラインでは朝の血圧測定は起床後1時間以内を推奨していますが、仕事や外出前の早朝の時刻は多くの方にとって落ち着いた時間が確保しにくいこともあるでしょう。午前中にホッと一息つける時間にゆったりと椅子に座ってから血圧を測定してください。朝と夜で血圧が大きく異なることがあるため、家庭での血圧は朝・晩にそれぞれ2回ずつ測定することが理想です。しかし一番大切なのは血圧測定を習慣づけることです。週に数回の測定でも高血圧を治療する際には重要な情報となります。厳格な血圧測定のルールを決めてしまうと健康のための習慣がかえってストレスの原因になりかねません。血圧の数値に一喜一憂せず、無理なく気楽に血圧測定を生活のなかに取り入れてみてください。
コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは一時的に血圧を上昇させる作用がありますので、コーヒーを飲む前か飲んでから30分以上経過してから血圧を測るようにしましょう。アルコールは連日大量に飲むと高血圧の原因となりますが、飲酒直後は血圧が少しだけ下がる可能性があります。夜の血圧測定は晩酌前にしていただくことをお勧めします。
参考文献
- 高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)作成委員会
- UpToDate. “Goal blood pressure in adults with hypertension” last updated Feb 08, 2023.