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高血圧の生活習慣

高血圧と診断された方は食事・運動などの生活習慣を見直すことをお勧めします。ガイドラインでは血圧を下げるために以下のような生活習慣の改善を推奨しています。

  • 減塩 
  • 食事  (野菜・果物摂取、脂肪控えめ)
  • 減量 
  • 運動 
  • 節酒  男性はビール500mlまで、女性は250mlまで
  • 禁煙

日本人には減塩が有効

日本人の1日の塩分摂取量は男性10.5g, 女性9.0g(2022年調査)であり、以前よりは塩分摂取量は減っています。しかし高血圧の患者さんの目標値は塩分6g未満なのでまだまだ塩分は多いのです。日本人は塩分を多く摂ると血圧が上がりやすい体質の人が多いことも分かっており、逆に減塩をすると血圧が下がりやすいのです。長年の味付けを変えることは大変むつかしいものですが、麺類のお汁を飲まないことや、醤油やソースを付け過ぎないようなことから少しずつ減塩に慣れていきましょう。

野菜や果物を多く食べましょう

野菜や果物は繊維成分やビタミンが豊富です。さらに野菜や果物にはカリウムという成分を多く含みます。近年になってカリウムを多く摂取することが血圧を下げることに有効であると言われるようになってきました。野菜や果物を食べて体内に入ったカリウムは腸から腎臓に塩分を排出するような信号が送ります。次に血液にカリウムが満たされると再度腎臓に塩分を排出するような司令が出ます。野菜や果物を食べると体内の塩分が減って血圧が下がるのです。旧石器時代の人類は木の実や果物を主食としており塩分の摂取は1日2g未満(Na29mEq/日のみ)とわずかですが、カリウムは現代人の4倍程度(K280mEq/日)を摂取していたようです。人類の身体は本来はごく少量の塩と大量の植物を食べるように設計されていたのです。進行した慢性腎臓病の患者さんは高カリウム血症の危険性があり注意が必要ですが、それ以外の方はできるだけ多くの野菜と果物を食べることをお勧めします。

地中海食・DASH食

欧米では地中海沿岸諸国の食事である地中海食が健康に良いことが知られています。地中海食は野菜・果物・魚・オリーブ油などを食材としており、肉や動物性油・シロップなどを多く使うファーストフードの対極の食事です。高血圧を予防する食事をDASH食(Dietary Approach to Stop Hypertension diet)と呼んでおり、地中海食がお手本になっています。欧米の通常の食事とDASH食を食べている人の血圧を比較した研究では、若者は食事内容の違いが血圧に影響しなかったのに対して、中高年では健康的なDASH食を食べた人の方が高血圧になりにくいという結果が出ました。やはり暴飲暴食は若者の特権のようです。健康のために中高年はDASHしましょう。

ダイエットで血圧を下げる

米国のガイドラインでは高血圧で肥満の患者さんに対するダイエットの効果は体重を1kg減らしたら血圧が1mmHg下がるとしています。血圧を10下げるために体重10kgもの減量が必要なので容易なことではありませんが、体重を減らすと血圧を下がることは数多く報告されています。肥満は動脈硬化の原因として高血圧を悪化させます。さらに腹部の皮下脂肪が増えると交感神経の緊張が高まったり、アンギオテンシンIIという血圧を上昇させる物質が増えるようです。高度の肥満は睡眠時無呼吸症候群という高血圧の原因になる病気の原因となりえます。血圧と腹囲の数値が同時に増えてきた方は是非ともダイエットを始めて血圧を改善させましょう。

生活習慣の改善はあせらずゆっくり

食事・運動療法には多くの費用はかかりません。薬剤のような副作用もないです。しかし私は患者さんに「食事・運動療法が一番大切で、一番大変な治療法です」とお話しています。毎日の生活に新しいことを取り入れることは簡単ではありません。それでも毎日の通勤で利用しているエスカレーターやエレベーターを1つだけやめて階段を使ってみるとか、自宅近くのコンビニには歩いて行く規則をつくるというのはどうでしょう。そして食事を制限して空腹に耐えるよりは、食事の最初に大盛りのサラダを食べて胃袋を満たすことをお勧めします。健康的な生活は未来に起きるかもしれない重大な病気を防ぐために気長に継続すべきものです。あせらずゆっくり少しずつ改善させていきましょう。

参考文献

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